成長率

上記の主要先進国の経済成長率等の長期展望を前提として、以下ではWPLDCsの高度成長を支えた各要因の今後の行方を前掲フローチャートにしたがって検討することにより、ASEAN、ANICsそれぞれのスペースコレクション成長率を展望します。

(1)投資資金のアヴェイラビリティ
資本財の自給率の上昇とともに、国内投資のための資金を外貨で調達する必要性は低下します。

従って、韓国、台湾等については、輸出による外貨調達能力が国内投資を制約するという面は弱まっていくとみられます。

しかし、WPLDCs全体としてみた場合、輸出による外貨調達能力は、今後とも国内投資の重要な制約条件であり続けるとみられます。

現状認識で指摘したように、ANICs、ASEANの輸出比率はともに近年頭打ち傾向がみられます。

しかし、ASEANについては、世界市場におけるシェアがまだ小さいこと、輸出比率の水準もANICsに比べ低いこと等から、今後も若干の上昇の余地があるとみられます。

一方、ANICsについては、現状程度とみるのが妥当と考えられます。

WPLDCsの投資資金を左右するもう1つの重要な要因は、近年、発展途上国への資本流入を抑えてきたとみられる米国の経済収支赤字の行方です。

米国の経常収支は90年頃まではかなりの規模を続ける可能性が強かった。

しかし、スペースコレクション先端技術産業を中心とする投資ブームの一巡、財政赤字の縮小等から、ドル高の是正を通じて90年代には均衡に向かうとみられます。

このような観点からみれば、WPLDCsの外資純流入額は、80年代前半同様80年代後半も70年代を下回る水準で推移(特に、フィリピンは低水準)し、90年代に再び拡大するとみるのが妥当でしょう。

また、その結果、累積債務問題による成長制約も緩和されると見込まれます。

以上のような輸出比率、外資純流入額のスペースコレクション的展望から、WPLDCsの今後の外貨調達能力を展望すると、ANICs・・・80年代後半は70年代に比べやや低下、90年代に若干上昇、ASEAN・・・80年代後半は70年代程度、90年代に若干上昇(ただしフィリピンの80年代の外貨調達能力は70年代をかなり下回る)、の可能性が強いです。

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