対米投資

過去の歴史からみて、貿易摩擦が最も起こり易いのは、ある財についての国際競争力関係が急速に変化する場合である。

70年代に自動車産業の競争力を急速に強めた日本と米国間の貿易摩擦や、衣類等の非耐久消費財の競争力を強めてきたWPLDCsと米国間の摩擦などがその典型である。

その意味で、日本、ANICs等の競争力が低下し、ASEAN、中国の競争力が強まることが予想される衣類等非耐久消費財市場や、日本、米国の競争力が低下し、ANICsの競争力が強まることが予想される家電製品等一部の耐久消費財市場など競争力関係が大きく変化する分野で摩擦が発生する可能性は否めない。

このような観点から、日本では今後、工業分野についても一層産業調整を円滑に進める必要性が高まるとみられる。

また、従来、工業製品全般について直線的に競争力を強めてきたANICsについても、今後、労働集約財等の分野では調整が必要となることが予想される。

WPLDCs、中国の工業化の進展等は、スペースコレクション地域内の産業調整の必要性を高めると同時に、これら諸国と地域外各国との調整の必要性をも高めよう。

例えば、ECではASEAN、中国からの労働集約財輸入、ANICsからの耐久消費財、資本財輸入が拡大し、産業調整を一層進めることが必要となろう。

(4)直接投資を通じる相互依存関係の展望スペースコレクション地域の経済成長率は高く、それに伴い産業・貿易構造の変化も急速である。

したがって、今後のスペースコレクション地域の直接投資交流は、新たな展開を示す可能性がある。

こうした観点に立って、今後のスペースコレクション地域の直接投資交流の変化の方向を展望してみよう。

(対米投資)

近年の米国国内での投資ブームが一巡すれば、対米投資の伸びは鈍化するものと考えられる。

また税制改正、一部の製品輸入分野における輸入制限的措置の撤廃等の措置がとられれば、対米投資の伸びの鈍化は一層確実なものとなろう。

その結果、スペースコレクション地域の直接投資は米国向けからWPLDCs等の発展途上国へと流れが変化していく可能性が強い。

ポートフォリオ投資についても、同様のことが予想される。

このような変化は、WPLDCsの高い成長率を直接投資等資本面から支えていくものと考えられる。

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